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麻実の大好きな皆さまへ・・
感謝しています・・
おはようございます・・
爽やかな朝ですね・・
お知らせです・・
5月23日～30日まで海外視察の為
CD発送や問い合せ対応は31日以降となりまして
ご面倒をお掛けしますが
何卒、よろしくお願い致します・・
『ベンガルの女王に魅せられて・・』
イタリアに来ています・・
気軽に立ち寄れるバールでカフェを頼みました・・
以前、わたしが初めて喫茶店へ行った時の思い出を
メルマガに書きましたが、好評だったので、再掲載します・・
＊＊＊＊＊＊＊＊＊
昨日、エスプレッソとカフェオレの注文を間違えて
エスプレッソ用のちっちゃなカップを見て
ある記憶が蘇りました・・
それは・・
初めて喫茶店へ行った時のことです・・
私は高校が家のすぐ裏手だったため・・
通学というものがなくて・・
寄り道を経験したことがありませんでした・・
だから、友達と喫茶店に行く事もなく・・
私にとって喫茶店は未知の世界でした・・
高校二年生の夏休み、部活のない日・・
仲のよいお友達4人で新宿の喫茶店へ
行こうと計画していました・・
初めての喫茶店・・
まるで冒険です・・
どんな喫茶店があるかもわからないので・・
とにかく新宿駅に着いたら
喫茶店と書いてある看板の店に入ろうと決めていました・・
真夏の新宿駅は人の熱気と気温でムワッとして
具合が悪くなりそうでした・・
駅の構内から外へ出よう・・
東口に出たと思います・・
すぐ目の前に「喫茶」の文字が早くも飛び込んできました・・
【喫茶 談話室 滝沢】
私は叫びました・・
「喫茶店 みっけた！」
そして、その号令と共に3人の友達も後に着いて来ました・・
【喫茶 談話室 滝沢】は地下にあるようでした・・
ガラスの扉を開けると地下深くに入り口があります・・
トントンと軽快に階段を進み・・
高鳴る胸を踊らせて扉を開けました・・
すーーとした風が吹き・・
キンキンに冷えたお店が私たちを出迎えてくれました・・
「喫茶店って、涼しいーー」
当時はまだクーラーが常備されている所が少なく・・
私が知っているクーラー常備の場所はプラネタリウムくらいでした・・
「喫茶店はやっぱり違うなあーー」
感心しながら、入り口で立っていると・・
蝶ネクタイの制服を身に着けた背の高いボウイが
「何名様ですか？」と聞いてきました・・
「あ、えっと、4人です」
「かしこまりました、こちらへどうぞ」
【喫茶 談話室 滝沢】はとても静かで
お客は少なく、商談をしているっぽいサラリーマンと
新聞を読んでいる初老の上品な男性が座っていました・・
どうやらあまり騒いではいけない場所のようだ・・
4人掛けのソフェに案内されて
メニューを開きました・・
品数は少なく、
コーヒーと紅茶と日本茶などが書いてありました・・
パフェやケーキは載っていませんでした・・
そうか、じゃあコーヒー頼もうかな・・
と値段を見てびっくり！！
コーヒーが一杯 千円！！
「えっ、せ・せんえん！！」
何度、見返しても百円ではなくて千円！！
私はバイトで貯めたお金３千円しか持っていなかった・・
喫茶店のコーヒーって高いんだなあーー
驚きました、でも最低ラインが千円だったので
そのコーヒーを頼もうとしました・・
何気なく、ページをめくると・・
最後のページに一つだけメニューが載っていました・・
そこには、こう書いてありました・・
【ベンガルの女王】
何？ベンガルの女王って・・
注釈文を読むとコーヒーの最上級のようでした・・
私はとても心引かれて頼もうと思って値段を見たら・・
更にビックリ！！
【ベンガルの女王 2,500円】
「に・にせんごひゃくえん！！」
コーヒーが にせんごひゃくえん！！
ありえません・・
普段、学食で買う50円のコーヒー牛乳しか飲んで
いなかったので、カルチャーショック・・
やっぱり、おばあちゃんに言われた通り・・
新宿は魔物が棲んでいる・・
おっかない・・
でも、わたしは喫茶店デビューでどうしても
この最上級の【ベンガルの女王】に出逢いたかった・・
友達は皆、千円のコーヒーにすると言う・・
やっぱりどうしても頼みたい・・
今、バイトで貯めた3千円がある・・
帰りの電車賃は500円で足りるだろう・・
「よし、頼もう」
ボウイさんを呼んで
「コーヒー３つとベンガルの女王１つ」
「かしこまりました、ベンガルの女王は10分ほどお時間
かかりますが、よろしいでしょうか？」
「はい、お願いします」
おおっと、このベンガルの女王の特別感・・
いいねえ・・
女王たるもの、すぐに出番ではありません・・
じらして、じらして、いらっしゃる・・
と良い風に解釈して一人静かに待ちました・・
本当は女子高生なので、ワイワイしたかったのですが・・
この雰囲気に飲まれて皆静かに・・
可愛い・・
10分後・・
「お待たせしました、ベンガルの女王でございます」
きたーーードキドキするーーー
んっ
私の目の前に置かれたカップは それはそれはちっちゃい
ハムスター用のカップのように小さいカップでした・・
えっ
二度見しても小さかった・・
しかも、そのカップの底に少しだけ琥珀色のコーヒーが見えました・・
高校生の私は値段が値段だけにメガサイズを想像していましたが・・
まんまと裏切られました・・
「麻実ちゃんのコーヒーカップちっちゃいね」
友達のMちゃんが言いました・・
「そ、そうね」わたしは無愛想に答えていました（笑）
そうだ、そうだ、ちっちゃいけど、きっと美味しいのだ・・
ちっちゃなカップの取っ手をつまんで持ち上げて・・
グビっといきました・・
その途端、むせて咳がゴホンゴホンと出ました・・
とっても濃すぎて、飲めません・・
「そうだ、私はコーヒー牛乳しか飲めない・・
これは濃すぎて飲めないよ・・」
百倍に薄めてもらいたい・・
罰ゲームのように感じました（笑）
咳が止まらず、涙が出てきました・・
「そうか、これが大人の味かあーー
いつか【ベンガルの女王】が楽しめる大人になろう・・」
こうして、私の初めての喫茶店体験は幕を閉じた・・
果たして、大人の今・・
【ベンガルの女王】が楽しめる私になったのか・・
昨日、間違えて頼んだエスプレッソのちっちゃなカップを見て
この初体験を思い出した・・
このエスプレッソ・・
グビッといってみようか・・
懐かしいなあ・・
ほろ苦い思い出ともに・・
グビッと口に含んだ・・
案の定、むせ返って・・
涙が出て来た・・
昔も今も変わらない ちっちゃなカップ・・
そして、変わらない わたし・・
いつになったら・・
【ベンガルの女王】が似合う女性になれるのか・・
もう少し修行が必要なようだ・・
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